ぼくは今、円・香港ドル・マレーシアリンギットという3つの通貨で、インカムが入ってくる状態にある。香港ドルは自分が代表を務める香港法人から。マレーシアリンギットは、ぼくが役員を務めているマレーシア法人からの役員報酬として。そして、円はその他、副業からの収入である。
ふと、ある疑問が頭に浮かんだ。複数通貨でインカムを得ること。または資産を幾つかの通貨で分散させて保持しておくこと。つまり、資産を増やすという面でしか考えていなかったが、お金を使う場合にはどうなのだろうか・・・?と。
例えばぼくは今、マレーシアに住んでいるため、食事などに行くと当然マレーシアリンギットでの支払いになる。しかし、クレジットカードを使用すれば、円や香港ドルで支払うことも可能だ。
ぼくがマレーシアに来た2011年当初は1MYR=25円だったものが、今では32円。かなり円安になっていることもあり、脳内では相対的に物価が上がったような感覚がある。
為替のことを考えなくてもいいように、マレーシアの支払いは、マレーシアリンギットで、日本での支払いは日本円で・・・というように住み分けをしていたのだが、果たしてそれは、本当に正しいのか?
即答できるほどの頭脳を持ちあわせていないぼくは、グーグルスプレッドシートを開き、シミュレーションをしてみた。
シミュレーション結果は?
シミュレーションにあたり、わかりやすく以下の条件を採用してみた。
- 毎月の円収入: 50万円
- 毎月のマレーシアリンギット収入: 15,000 MYR
- マレーシアでの毎月の支出: 10,000 MYR
- 現在の為替: 1円=32MYR
- 毎月1%ずつ円安になっていくと仮定
毎月の収入は変わらないが、円ベースでみたとき、マレーシアリンギットの収入は、円安の影響により毎月1%ずつ増えていく。同じ原理で、毎月10,000MYRという支出も、円ベースで見た時には、毎月1%増えていく事になる。
毎月10,000MYRの支出を、マレーシアリンギットのまま支払った場合と、日本円で支払った場合の2パターンでシミュュレーションをしてみた。
文字でお伝えするのが難しいため、以下のURLからシミュレーション表を確認ししていただきたい。
→ http://maverick5.com/simulation-currency/
毎月マレーシアリンギットで支払った場合の12ヶ月後のCF(キャッシュフロー)は、円ベースで、8,142,083円。対して、毎月、円で支払った場合の12ヶ月後のCF(キャッシュフロー)は、8,367,849円。
毎月10,000MYRの支払いを、日本円で支払っていったほうが、マレーシアリンギットで支払う場合よりも、1年間で225,765円ほど得をすることが分かった!
あくまでこの数字は、毎月1%ずつ円安に進んだ場合という不確定事項を仮定しているものだから、実際にこの通りに進むとは限らない。
しかし、円安になっているから、相対的に価値が上がっている通貨で支払いを行っておこう・・・という考え方が間違いだ!ということは分かるのではないだろうか?
自分が複数の通貨でインカムが発生している場合、長期的に価値が安くなっていっている通貨で支払いを行っていくことで、結果的に資産を増やすことができるのではないだろうか。
さらに言えば、今回の場合、日本円で支払うためにクレジットカードを利用すれば、マイルなども貯まり、なおのこと効果は倍増する。