「も、もしかしてやっちまってる!?」
ハードディスクに保存していたはずの、過去の写真・動画データがない。。。というか、外付けのハードディスク自体にアクセスができない。
マレーシアの自宅では、NAS(Network Attached Storage)を組んでいて、バックアップ体制は完璧!と思っていたのだが・・・、NASの組み方が悪かったのか?機械の問題か?一部のデータにアクセスができなくなってしまった。アクセスできなくなってしまったデータが、なんと過去の思い出写真や動画のデータ。それほど多くはなかったものの、心のダメージは結構でかい。
もはやデジタルデータと全く付き合わずに生きていくことは、ほとんど不可能になっている現代社会で、最も重要なデータは、やっぱり『写真や動画』。仕事で作成した書類などは、最悪面倒でも作りなおせばリカバリできるが、思い出だけはタイムマシーンが開発されない限り決して取り戻すことができない。
過去に決めたバックアップ体制で、問題が生じてしまったため、今一度、写真や動画に関して仕組みを整えてみた。
写真や動画の完全バックアップシステム
昔、外付けHDにデータを移動しただけでバックアップ完了!と豪語していた友人に「内蔵だろうが、外付けだろうが、データが一箇所にしかなかったらバックアップ担ってないやん!」と突っ込んだことがある。
バックアップで重要なのは、とにかく複数箇所にコピーをしておくこと。いざというときに、どれかが残っていれば・・・という、確率を上げることだ。
今回ぼくが、写真や動画のバックアップシステムとして組み立てた運用方法は、以下の通り。
- 写真や動画はすべて、一度「Adobe Lightroom」で「OneDrive」フォルダに取り込む
- クラウドストレージ「OneDrive」には、自動でアップロードされる
- 写真データを「Flickr Uploader」を使って、全部 Flickr(フリッカー)にアップロード
- 写真・動画データを「Googleフォト」にアップロード
- 写真と動画データをAmazon S3 Glacier にすべてアップロード
ここまでやれば、写真や動画のデータは計5箇所にバックアップできていることになる。やり方を覚えれば、すべて差分バックアップ(新しいデータだけバックアップする)が可能なため、バックアップ時間も非常に高速だ。それでも、ぼくが住んでいるマレーシアだとネット回線が遅くて大変だが(汗)
写真や動画はすべて、一度「Adobe Lightroom」で取り込む
写真のデータ自体を、ぼくは時系列で組んだフォルダ構造で保存するようにしている。「年のフォルダ(2016)」の中に「日付フォルダ(2016-01-01)」を作り、その中に該当する日付に撮影された写真・動画のデータが格納される形である。さらにいえば、データのファイル名自体にも、頭に日付を入れてリネームするようにしているため(20160101-048A4253.JPG)、もしデータのEixf情報がおかしくなったとしても撮影日を迷うことはない。

このフォルダ構造やファイル名の変更は、手動では対応できない。やればできるのだが、数も数だけにやってられない。。。ぼくが使っているAdobe(アドビ)社の「Lightroom(ライトルーム)CC」なら、これが全自動で実現できるので、非常に重宝している。(このために「Lightroom(ライトルーム)」を使っているのではなく、「Lightroom(ライトルーム)」を使っていたらこうなった感じ)
今は、Adobe(アドビ)社のCreative Cloud(クリエイティブ・クラウド)で、フォトグラフィプランを契約。月980円で、写真管理から現像まで可能な「Lightroom CC」と、画像処理の最高峰「Photoshop CC」が、常に最新版で使用できるので、非常に便利だ。

「Lightroom」では、写真を取り込む時に、「ファイル名を変更(日付-ファイル名)」「サブフォルダーへ(日付別、日付形式を選択)」この2つの機能を利用することで、日付で整理されたフォルダ階層ですべてのデータを、一括で振り分けることができる。
デジカメやスマホなど、異なるデバイスだとしても、全部「Lightroom」から取り込んで、一元管理するようにしよう(必要に応じて、Lightroomのカタログは切り替える)。そうすれば、全データが日付で整理されてすっきりとするはずだ。
Office 365 Soloに加入したら、Onedriveの容量が1TBもらえたので、当面のバックアップ先に。
個人的にはMicrosoft Office製品が大嫌いで、極力使いたくないのだが、仕事をする上でどうしても必要な時もあり・・・先日「Office 365 Solo」に加入してみた。すると思わぬことに、Microsoftのクラウドストレージ「OneDrive(ワンドライブ)」の容量1TBが付属でついていた。
「OneDrive(ワンドライブ)」は、クラウドストレージで有名な「Dropbox(ドロップボックス)」と同じように、Mac上の「OneDrive」というフォルダの中身をクラウドストレージと同期してくれる。
つまり「Lightroom」で管理する写真のデータを「OneDrive」フォルダの中に指定しておけば、整理されたデータが自動でクラウドにバックアップされるという仕掛けだ。
ちなみに「OneDrive」では、同期するデータをフォルダ単位で選択できる。この機能をうまく利用すれば、内蔵HDの容量を節約することも可能だ。
写真は容量無制限の「Flickr(フリッカー)」にアップロード(今なら、Googleフォトか!)
「OneDrive」内に「Lightroom」で整理された形で集められた写真や動画のデータ。これをぼくは「Flickr(フリッカー)」という世界最大の写真共有サービスにアップロードしている。「Flickr(フリッカー)」の有料プラン「Flickr Pro」(月5.99USD、もしくは1年49.99USD)を契約すれば、容量無制限でアップロードし放題なのだ。
けれど、2015年の5月に「Googleフォト」という驚愕のサービスが発表された。1,600万画素の写真/1080pの動画という制限を設けるものの、その規定内であれば写真・動画すべてアップロードし放題というサービスだ。
これは「Flickr」から乗り換えか!?と一瞬思ったが、「Googleフォト」は容量は無制限なものの、高画質のままデータ保存をすることができない。どのみち「Googleフォト」は無料だし、「Flickr」にも「Googleフォト」にも、両方アップロードしておくことにした。
- 「Flickr」のアップロードは、無料で提供されている「Flickr Uploader」というソフトを利用( https://www.flickr.com/tools/ )
- 「Googleフォト」も、Mac用アプリでアップロード!( https://photos.google.com/apps?hl=ja )
スマホ用アプリは閲覧にだけ使用する
「Flickr」も「Googleフォト」も、スマホ用のアプリが開発されていて、iPhoneやAndroidスマホで撮影した写真や動画を、PCを介さずにアップロードすることができる。いちいちMacやWindows PCを介さずに便利な気がするが、個人的にはおすすめできない。なぜならば、データがバラバラと整理されないから・・・。
ぼくは、嫁がスマホで撮影した写真や動画も、ぼく自身が「Lightroom」で一度Macに取り込む。こうすることで、撮影者を問わずすべての写真・動画データが、時系列に整理される事になり、あとで閲覧しやすい。
「Flickr(フリッカー)」などの有料アカウントも、ぼくのアカウントに集めておくことで、ちょっとした節約もできる。
流れとしては、デジカメでもスマホでも、ぼくでも嫁でもおじいちゃんでも・・・管理するデータは、一度ぼくのMacで「Lightroom」により「OneDrive」フォルダの中に整理され、「OneDrive」「Flickr」「Googleフォト」と異なる3つのサービスに、自動でアップロードされていく。
最後にAmazon S3 Glacierにアップして、永久保存する!
「OneDrive」「Flickr」「Googleフォト」と異なる3つのサービスにアップロードが完了している時点で、だいぶバックアップとしては堅牢になっている。
所詮はすべて第三者である企業のサービスなので、サービス終了されたらすべてのデータが・・・という不安は確かにあるが、外付けHDが壊れる確率とMicrosoft、Flickr、Googleが揃ってサービスを廃止する確率・・・個人的には比べるまでもない。
とは言え、やっぱり不安なので、最後の砦として・・・ぼくはAmazon S3 Glacier にすべてのデータをアップロードしている。
Amazon S3 Glacierとは、99.999999999%(イレブン・ナイン)の堅牢性を持つ・・・と言われるファイルサーバ。もうこれでデータぶっ飛んだら、諦めるしかないわという確率だ(笑)
Amazon S3 Glacierは、サーバの使用料(重量課金制)が安い代わりに、データを取り出すときに時間がかかる。データをダウンロードしたいという指示を出して、3から5時間後にダウンロードが可能になるようだ。
Amazon S3 Glacierには、永久凍結保存しておくつもりでアップロードしているので、基本的によほどのことがない限りダウンロードはしない。スピード的な利便性よりも安全性を重視してアップロードしている。
ここまでやれば・・・ぼくの写真・動画データは
- Macの内蔵HD
- OneDrive
- Flickr
- Googleフォト
- Amazon S3 Glacier
と、5箇所に保存されていることになる。個人的には、バックアップはもう十分だろう・・・と思っているため、今後はこの方法で、増え続ける写真や動画のバックアップ、保存の運用を続けていこうと思う。
追伸
Amazon S3 Glacierへのアップロードに関しては、「awscli」というコマンドラインインターフェースを利用することで、簡単に差分アップロードが行える様になる。差分アップロードができないと、データ容量もコストも時間もすべて無駄にかさんでしまう。。。
「awscli」はMacのターミナル上で動かすため、使っているとプログラマーっぽくて、かなりMacを使いこなしている感じになるので、おすすめだ(笑)
「awscli」の使い方・・・というよりは、使えるようにするまでの準備が少しめんどくさいので、別の機会に解説したいと思う。
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